字が、ちっちぇ~
台本だの、ナレーション原稿だの、
活字で書かれた原稿を、修正する事がある。
その場合、手書きになる。
誰が手書きするかと云うと、
助手だ。
監督の助手だ。
年の頃、20~30代の助手だ。
世間的には、助監督(AD)と呼ばれている。
さて、その文字の大きさが、気になる。
一言でいうと、
ちっちぇえ。
どの位、
小さいかというと、
視力検査の際の、一番下のヤツより小さい。
「右、左、上、上、下・・」
目の検査で、試される小さい限界を超えている。
どうやったら、それほど小さな文字を書けるのかと、
肩を叩いて、お尋ねしたほど、小さな文字を書く。
ひょっとしたら、米粒にも、文字を書いた事があるんじゃないか?
でだ、私は彼にお願いしてみたのだ。
「3倍くらいの大きさで書いてみてヨ」
彼は、トライしてくれた。
しかし・・ガムの裏に表示してある住所ほどにしか、
書いてくれなかった。
そこで、彼に冒険をさせてみた。
「30倍くらいに書いてくれる?」
30倍に書いてくれた。
やっと、読めるようになった。
文字とは、小さなモノだと、信じているらしい。
私が、
お茶碗の大きさを把握しているように、
彼は、文字の大きさを、自分の体で把握している。
私に、
「30倍大きな茶碗で食べなさい!」
と言われても出来ないように、
彼も、
30倍大きな文字は、間違っても出来ないのだ。
文字の限界が、あるらしい。
さあ、アナタ、ペンで文章を書いてみてください。
もちろん、手書きでネ。
精一杯の冒険をしてみてネ。
最低でも、
10m離れた所から読める字を書けたかナ?