ドクドクドク
私の心臓が脈をうつ。
1分間の心拍数は、69である。
一秒に一回以上ドクンを繰り返している。
男性の平均は、ほぼ、60くらいだ。
我が探検隊のメンバーにも、もしもの事を考えて、
血液型はじめ、検査をしている。
隊員Y子も、心拍数を発表する。
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39>
ん・・?
39?って何?
そんな心拍数があるのだろうか?
私なんぞが、ちょっと走ると、あっという間に、
130くらいに上がる。
ところが、Y子は、ほとんど上がらないと言う。
「ワッ!」
人が、出会いがしらに大きな声で脅されると、
瞬間的に、150以上で心臓がバクバクする。
それが、人間を人間たらしめていると、私は考えていた。
しかし、この定理が、Y子には当てはまらない。
「ワッ!」
それがどうした?
Y子の心臓は、反応しない。
心拍数が上がるのに、時間がかかるのである。
少々の事では驚かない心臓を、
長い間かけてDNAが獲得したらしい。
「入院なされますか?
40切ってますが・・」
病院で検査すると、あまりの心拍数の少なさに、
医者に入院を勧められるそうである。
私なんぞの、びっくりしてばかりいる人間からすると、
うらやましい限りである。