先日来、屈強なY子の話をしているが、
実は、Y子にも弱点があったのだ!
<船に弱い>
我が探検隊は、船長の私が操船し、海の上に出る。
子供の頃から、櫓を操っていた私は、船酔いなどしないのだが、
隊員たちは揃いもそろって、船に弱い。
あっちでもこっちでも、グロッキーである。
Y子も、ごたぶんでない。
船べりにしがみついている時間の方が多い。
そんなある日・・
「
シイラが釣りたいなあ~」
とんでもない事を、Y子がつぶやく。
『あのね、シイラってのは、海底にはいないノ。
ルアーとか投げないとネ、釣れないんだナ』
かく言う私も、長年釣りにいそしんでいるが、
シイラを釣った経験がない。
一度もない。
シイラは、釣ってみたい
憧れの魚でもある。
そうそう簡単に、おいそれと釣れない魚とも云える。
いつか釣りたいサカ・・・
「あっ、なんか掛かった!」
先ほどまで、船べりにうっぷしていたY子が、声をあげる。
「もの凄く、引いてるゥ!
わあ~釣れたあ~~~!」
シイラを釣ったのである。
いとも簡単にシイラが釣れた。
感激する間もなく、
シイラが、目の前にある。
<念願の>とか関係ない人が、ここにいる。
<ついに>とか関係ない人が、ここにいる。
<苦節>とか意味のない人が、ここにいる。
ふ~ん、
言えば、実現する人っているんだ・・・
いいなあ・・楽で・・