夢のような夜だった。
夕食を食べようと、鹿児島市の街中を歩いていた。
看板があった。
《手羽先、トンソク、博多モツ鍋》
看板を見た途端、鼻から、大量の突風が吹き出た。
興奮したという意味だ。
私の好きな
三大好物が、写真入りで紹介されている。
手羽先においては、
《全日本揚げ物グランプリ金賞》に輝いたと豪語している。
グラリ・・
ダイエットにいそしんでいる筈の、
私の胃袋と舌がよろめいた。
「いらっしゃいまし~」
気づくと、店の中にいた。
「手羽先、トンソク、モツ鍋ですネ」
気づくと、3品を頼んでいる私がいた。
確かに、私は、その3品が好きだ。
こよなく好きだ。
しかし、3品を同時に食すほどの冒険をした事がない。
ダイエットが、いつも壁になって立ちはだかっていた。
ところが、その冒険が、そっちから降りかかってきた。
(そっちからきたんじゃ、仕方がねえな)
言い訳ができた。
さらに、驚くことが待っていた。
博多モツ鍋には、通常ギアラ(大阪ではアカセン)が
入っているのだが、この店では、
それに加え、とんでもないモノが入っていた。
<シビレ>
鶏のノド笛(声帯)である。
私が、「アフ~ン!」とあえぎ声を出して、
喜ぶ、大好きな希少食べ物である。
つまり、三大好物プラス一好物=
四大好物を、
一晩で腹におさめたのだ。
たった一回の食事で、四大好物に舌鼓をうったのだ。
コレを《贅沢》と言わずしてなんと云う!
ああ~夢のような夜だったでごわす・・・
鹿児島の路面電車には、
鹿児島県警察の文字が・・