<ビデオ予約する>
予約した録画を観る。
昨今の録画は、
録画しながら観ることが出来る。
録画を完全にし終わってから観るのではない。
「しまった、30分前に番組が始まっていた!」
と後悔したのは、昔の話。
余裕で、風呂に入り、余裕で、ビールをプシュッっとやり、
余裕で、再生を始めるのだ。
録画されつつある現在を、再生で追いかけるのである。
SFの世界だ。
ここで、実に不思議な現象がおこる。
昔々の人々には理解できない現象が起こる。
「あ、ここ飛ばしちゃお」
キュルキュルキュル
少し早送りする。
「あ、ここも」
キュルキュルキュル
すると、どうだ?
ある場所までくると、
現在に追いつくのである。
過去を観ていたつもりが、現在に追いついたのだ。
まるで、タイムマシンだ。
この感覚は、不可思議極まりない。
そして、その感覚はさらにおかしな現象も引き起こす。
今、
現在を観ているにもかかわらず、
さらに、録画を早送りしようと操作してしまうのだ。
器械は一応反応するが、もちろん早送りは出来ない。
なぜなら、未来には行けないのでネ・・
当たり前の事なのだが、指は、リモコンを押している。
なぜ、こんな事が起こるのか?
《録画を観ている=過去を見ている》と誤解するのだ。
ゆえに、指が、リモコンを押し続ける。
もっと先へ行け!・・と。
もし・・もし先が見えたら・・凄いネ。