「なんらかの問題があったと思われます」
なんらか・・
時代は、なんらかだ。
なんらかで、切り抜けようとする時代がきた。
予期せぬ事態が発生した場合、
いろんな機関が、説明をしようと試みる。
<言葉>を探す。
以前には、こんな言葉があった。
「異常事態の発生です」
<異常>が言葉の主役だった。
異常だ言えば、何が異常なのか説明しなければならない。
その点、なんらかは便利である。
「原因は、何ですか?」
『なんらかの事情です』
問いただす側は、
なんらかが何であるかとは訊けない。
なんらかなんだな、と頷くしかない。
質疑応答が続かない言葉とも云える。
会見側が打ち切りたい際に、便利な言葉である。
ただし、遅刻の理由にはならない。
「なんで遅れたんだ」
『なんらかの理由だと思います』
「ん・・?」