私は、飛行機内にいる。
石垣島空港が近づいてきた。
飛行機は、だんだん高度を下げてゆく。
っと、窓に水が流れだした。
雨がぶつかっているのだ。
どうやら、積乱雲の真っただ中に突っ込んだらしい。
前方に、滑走路が見えたところで、機首が再び空へ向かった。
「雲があまりにも低いので、着陸をやり直します」
機長のアナウンスに、窓の外を眺める。
飛行機は、石垣島のサンゴ礁の上をグルグルまわる。
島の上には積乱雲があるのに、海の上は晴れている。
20分あまりの大遊覧飛行となった。
青を緑のグラデーションの海が続く。
サンゴ礁とは、なんと美しい色彩をしているのだろう。
やがて、スコールは去り、無事着陸。
空港出口には、迎えの車が来ていた。
見ると、オープンカー。
ん・・まてよ・・今スコールが通り過ぎた為に、
着陸をやり直したんじゃなかったっけ?
「どうぞ、お乗り下さい」
ドサッと座った私のお尻も背中も、ビショビショになった。
スコールの来る島に、オープンカーは駄目やろ。
そう云えば、20年ほど前の冬・・
やはり石垣空港に、私は降り立った。
迎えの車がきていた。
「どうぞお乗りください」
南国なのに、冬は寒かった。
「あ~今、暖房入れますネェ~」
しばらく走っていると、突然、モクモク~
白い煙を吐き出したではないか!
「すみませ~ん、初めて暖房付けたもんでサァ~」
エンジンが壊れたのである。
南国は何事も、騒がずに・・