「金冠日食?知らねえよ、そんなの・・」
「スカイツリー?関係ねえよ、そんなの・・」
そんな人もいる。
いい、それでもいい。
私は、そんな人も認める。
かつて、私もそんな人だった。
その昔、
芝居一筋、来る日も来る日も芝居の事しか考えていなかった。
世の中で、どんなエキセントリックな事件が起ころうが、
知らんぷりであった。
むしろ、知らんぷりする事に、力を注いでいた。
知らんぷりが、美学だとさえ、思った。
世の中で騒げば騒ぐほど、知らんぷり度があがった。
《ミスター知らんぷり》と呼んでくれてもよかった。
一応、新聞や、テレビで情報は知っているにも拘わらず、
知らんぷりした。
ある意味、スルイ人でもあった。
この日本で暮らしているにも拘わらず、
見て見ぬふりをした。
そして・・今、思う。
その時期・・・
知らんぷりした分、
様々な面白い事を見逃した。
一言で言えば、
損した。
もの凄く損した。
「オレの青春を返せ!」
叫びたいほど、
損した。
この損は、取り返せない損だ。
失った損だ。
その責は自分にある。
今、興味のない事に、いつ自分が興味を抱くだなんてわからない。
ある日突然、驚きの展開がおこるかもしれない。
私のテーマはこいつだ。
《自分を信用することなかれ》
意訳しよう。
《自分の資質を信用することなかれ》
もっと意訳しよう。
《自分が、何が好きかなんて、どんどん変わるゼ》