金星触を見やしたか?
私は、新幹線に乗っていた。
東京を出た時は、曇っていた。
名古屋に向かうにつれ、徐々に、雲が薄らいでくる。
チャンスはあるかも・・
先日の金還日食の折りに手に入れたメガネを取り出す。
(あれいらい、カバンに入れたままだったのだ)
時間は正午近い。
太陽はほとんど真上だ。
ということは、窓にべったりと顔を近づけなければ、
見えないではないか。
もちろん、用意周到な私は、進行方向の左側の座席、
Aをとっていた。
静岡を過ぎたあたりから、陽がさし出した。
よしよし、頭を捻じ曲げて、目も裏返させる。
「おおお~見えるゾ~~!
太陽の端っこに、小さな豆のまん丸がある。
なんとかデジカメに収めようとする。
すると、雲がかかる。
待つ事・・数分。
おっ、雲が切れた!
チャンスだ!
ガアアア~~~ン
トンネルに入ってしまった。
トンネルを出た!
雲がかかる。
雲が切れた!
ガアアア~~ン
トンネルに入る。
うううぅぅ、イジワルされとんのかぁ~
東海道新幹線に相当の回数、乗って来たつもりだったが、
かくもトンネルが多いイメージはなかった。
ところがところが、トンネルだらけじゃないかあ~
さあ、金星触を見たアナタに問題です。
太陽の表面に金星がヘバリツイていましたネ。
太陽のすぐ近くに金星があるように見えましたネ。
では、問います。
<
地球から金星までの距離と、
金星から太陽までの距離はどちらが遠いでしょう>
はい、すぐに回答だ。
地球~金星=4200万キロ
金星~太陽=1億1000万キロ
どうだ、金星は地球の近くにいるのだぞ。
アナタのキーボードの上から2番目の列の一番左端、
半角全角漢字の位置に太陽があり、
右端の
Backspaceの位置が地球だとすると、
0の地点が、金星のある場所だ。
ほら、以外と近いでしょ。
その近い金星が、豆粒だったのだ。
今回の新幹線の窓からの天体観測で、わかった事。
宵の明星、明けの明星と言われる金星の大きさが、
肉視できた。
太陽との大きさ比較が出来た。
もう大丈夫だ。
(なにがだいじょうぶなんだ?)
デジカメで金星までは写らない