この焼き魚は、私の大好きな魚だ。
《スミヤキ》 ダツとも言う。 <和名クロシビカマス>
(沖縄で言うところのダツとは違う)
なぜ、スミヤキというのか?
では、焼く前の姿を見ていただこう。
どうだ!
どちらが、焼く前か後か分からないだろう?
使用前、使用後の例題写真として、使えないヤツだ。
(現に今、私も、写真を取り違えてしまった)
うっかりしていると、焼く前のヤツに、ハシを伸ばしそうである。
「おっとぉ、生じゃねえか!」
うっかり八平衛なら、すぐに騙せる。
こやつはそうそう捕まる魚でないから、希少だ。
少なくとも、釣り師が釣ったと云う話は聞かない。
漁師が、どこかで漁をして獲ってくる。
そして、魚屋で、
堂々とこっそり売っている。
今、変なことを言った。
<堂々と>と云うのは、
商売上、全く問題ないので、完全オープンで売っている、
という意味だ。
<こっそり>と云うのは、
美味しいからって、ムチャ買いしないでネ・・
一人、一匹にしといてネ・・
魚屋にとっての、不文律の言葉が、
《堂々とこっそり》なのだ。
アナタが、コンビニで堂々とこっそり立ち読みをしているのとは、
違うので、よろしく。
アナタが、赤信号を堂々とこっそり渡っているのとも、
違うので、よろしく。
そのズミヤキを、行きつけの魚屋<丸一>に、
こっそり買いに行くと、
「いらっしゃい!」
大きな声で大将が迎えてくれる。
そのあげく、「スミヤキ一匹!」
堂々と売ってくれる。
出来れば、こっそり買いたかった私に、
見た目の悪い真黒いスミヤキを手渡してくれる。
回りで魚を買いに来た観光客が、気持ち悪そうにそれを見ている。
「あんなモノ、食べられるのかしら?」
そこで、私は、必死で演技をする。
(え~コレ食えってかあ~?)
イヤそうに、渋々ブツを受け取り、溜息をつきながら代金を払う。
スミヤキの旨さがバレてはならないのである。
しまった、私は何をやっているんだ?
はい、読んだアナタは、すぐに忘れなさい!
え~とネ、この写真も面白いゼ!
この階段・・どうなってるんでしょうネ?