さ、この時計だ。
写真では、ちょっと分かりにくいが、
この時計は八角形のただの箱型をしている。
アナタに質問だ。
この古い時計は、なに時計でしょう?
どうやって動いている 時計でしょう?
質問の意味がわからない方に、説明を。
昔々の古い時計には、箱の下に、分銅がぶら下がっており、
その振り子で正確な時間を刻んでいる。
ところが、この時計には、振り子がない。
振り子がなければ、ゼンマイで巻いた力は、
そのまま、グルグル巻き戻ってしまい、
正確な時間は刻めない。
アナタには、もうわかりましたネ。
そう、この時計は、元祖<腕時計>なのです。
回転が、縦も横も関係なく、円軌道を
行って来いする・・
腕時計の原点なのだ。
つまり、<船時計>
揺れ動く、船の中では、分銅が役にたたない。
そこで、ジャイロ回転する分銅代わりのモノが発明された。
アナログ時代の時計では、そのジャイロが、手首の上で、
ジャッコン、ジャッコンと時を刻んでいたのだ。
例え、100mを全力疾走しようが、
一定のジャッコンを繰り返していたのだ。
42、195キロ、東京オリンピック優勝者のアベベは、
この時計がジャッコンと、左手の手首で鳴っていたのだ。
ツブラヤも鳴っていたし、宗兄弟も鳴っていた。
遡れば、近代オリンピックのギリシャ大会の頃には、
冒頭の、八角形の腕時計を担いで走っていた選手も、
いたかもしれないのだ。
いえ、いません。