コレは、3Dメガネである。
3D映像を見る為の、メガネである。
原理は簡単。
右目と左目のメガネが、縦横の線に別れている。
そこで、次の写真を見て欲しい。
さらに、次を・・
どちらも3D写真である。
どうですか?
立体映像に見えましたか?
ふむ・・見える訳がない。
アナタは、その3Dメガネをかけていないのだから・・
ところが、その昔、そういうコマーシャルがあった。
「こんなに、美しい映像が見られます!」
カラーテレビのコマーシャルだ。
カラーテレビが、さほど普及していなかった時代に、
カラー映像で映されたヒマワリの映像がテレビで流れている。
ところが、見ている我が家のテレビは白黒だ。
「色が違います!」
カラーの色の違いを力説している。
他社より、美しいカラーだと、説得している。
だのに、説得されている我が家は、白黒だ。
そこで、青年イシマルは思った。
「納豆を食べたことのない外国人に、
納豆を説明するのは無理だナ・・」
さらに、思った。
電気屋さんだって、バカじゃない。
白黒テレビを見ている人に、
カラーの説明をしても解る筈がないことは、百も承知だ。
だのに、堂々とカラーの美しさを唄っている。
これは、どういうことか?
青年の答えは、簡単だった。
<皆が、腹を立てる事を期待している>
白黒テレビを見ている人達が、私と同じように、
「これって、どぎゃんこつネ!」
と、いかり出すのを期待していたに違いない。
「チューリップの色が見えんじゃないか!」
白黒のチューリップを見ながら激昂するオジサンを、
待っているのだ。
「馬鹿にしとんのか!」
唇を震わせるオジサンを待っていたのだ。
「明日、電気屋で、その色とやらを見てやる!」
拳を振り上げたオジサンの、購買意欲を、
エレクトリックカンパニーは期待したのだ。
しかして、見事、その購買意欲は刺激された。