《秋ナスは嫁に食わすな》
昔から聞く格言だ。
嫁からすれば、ひどい格言だ。
まずもって、ヨメと呼び捨てにしている。
あげく、「食わすな」と、
犬にでも呼びかける様に吐いている。
あまりと言えば、あまりだ。
格言にも時代が反映されているのだろう。
さて、この格言には、秋ナスが登場するが、
意味は、
食べると身体が冷えるナスを、
「大切な嫁さんに食べさせるなヨ」
と示唆しているのだ。
特に、秋に成るナスはその
効能がイチジルシイと言っている。
さあ、そこで、考えてみよう。
この格言が出来た時代と、現代・・
その時代のナスと
現代のナス・・
同じだろうか?
様々な野菜が本来の活力を失っている現代。
ナスとて同様だろう。
現代のナスに、
嫁さんの身体を冷やして病気にするほどの力が、
備わっているのかどうか?
むしろ、嫁さんの勢力がグングン勝っているニッポン、
ガンガン、ナスを食ってもらって、
冷やして頂きたいと考えている貴兄がいる。
しかし、その肝心のナスに元来の力が無くなっている。
昔の力が無くなっている。
そうか・・
只でさえ元気になっている嫁さんに、
只でさえ効能が減ってしまったナスを食わしても、
な~んも起こらんのかもナ。
《秋ナスは、ムコに食わすな》
奈良 平城京