「すみませ~ん、
少しだけ冷房弱めて貰えますか?」
タクシーでよくある客の要求だ。
しかし、この言葉が、問題を引き起こす。
<少しだけ>が通じない。
思い切り、冷房を弱められてしまう。
別に、運転手が意地悪しているのではなく、
日本には、本当の<少し>がないからだ。
おっ、今すごい事を言ったゾ。
日本には、
本当の<少し>がない。
そんなバカな!
っと、後ろにふんぞり返ったアナタに問いたい。
「オカワリくださ~い、
少しでいいです」
旅館で、ご飯のオカワリをして、
自分が考えている<少し>だった事がある?
(こんな山盛り・・)
「
少しだけ、テレビのボリューム小さくしてくれる?」
言い終わるやいなや、極端に下げられてしまう。
「
少しあとで、そうネ、5分後に電話ちょうだい」
5分どころか、10分待っても20分待っても電話は来ない。
「もう
少し頭が良かったらなあ~」
ん・・少しなのか・・ほんとに少しなのか?
「
少しだけ痛いですからねェ~」
医者のこの言葉を、子供は信じちゃいねぇ。
「すまん、
少し寝かしてくれ・・」
少しって、グウグウ、眠ってるじゃないか?
いつまで眠るんだ、オイ!
「いや、ほんとに
少こっし・・」
おまえの少しの尺度を示せ!
「ウイスキーで少しだけ、ワンフィンガー」
なぬ?それって・・
「
スコッチ」
家の外壁に、なぜかウイスキーのボトルが・・