日本へ帰る・・
飛行機の都合で、はからずも台北の夜を過ごす事になった。
台湾と云えば、<夜市>である。
屋台である。
ホテルにチェックインするなり、繰り出した。
(ビール!ビール)
我らの頭の中は、ビールでいっぱいだった。
タクシーで行き先を告げると、400円で着いた。
「おおぉ~祭りなのか!」
様々な電飾に彩られ、小さな店が延々並んでいる。
食事の店より、服や小物の店が多い。
一本の道路というより、入り組んだ街並みだ。
広さは、原宿竹下通りの10倍以上あろうか・・
30分も徘徊したところで、ハタと気づいた。
我々は、
何か勘違いをしていたんじゃないのか?
我々と言ったが、正確には、・・私だ。
私は、<夜市>と<屋台>を混同していたような気がする。
《湯気があがり、包丁をふるう亭主の屋台に腰掛け、
ガチョウの肉にかぶりつきながら、ビールをのむ》
こんな情景を求めて、タクシーの中で(ビールビール)と、
騒いでいた私・・
たぶん・・いや、きっと、夜市は酒は禁止である。
屋台は勿論、食べもの屋ででも出していない。
試しに、訊いてみた。
「ビジョー(ビール)ある?」
『メイヨ(ない)』
飲んでいる人はひとりもいなかった。
ふ~~ん、そうなんだ・・
グレてやる・・
グレた我らは、タクシーでとって返し、
街はずれの、外で食べる店にしけこんだのだった。
「ビジョーある?」
『ビジョ、ビジョ、ワタシネ』
おかみが、使い古したであろう日本語ギャグで返してくれる。
やっぱ南国は、外で呑んで食べるのが一番じゃね。
教訓;
台湾夜市に酒は無い。