《夜光貝》(やこうがい)
スーパーで売られていた。
982円。
与論島にあるスーパーの棚に、5つ転がされていた。
南の島に行くと、時折この貝の名前を目にする。
飲み屋のメニュー的には、高級貝である。
ゲンコツ程の大きさの夜光貝で、2000円近くする。
その旨さは、貝界の中でも秀でていると言われている。
私に。
冒頭写真の夜光貝は、おそらく、最大の大きさをもっている。
私のゲンコツがそのまま中に入った。
この大きさに成長するのに、10年ではきかないだろう。
ちゃんとした料理屋で出されたら、
いったいお値段はいくらだろう?
2回くらい腰を抜かすかもしれない。
その貝が、スーパーに、ゴロリ・・と。
夜光貝は、漁師さんが潜って採ってくる。
素潜りで、20m以上潜る。
凄いなあ~
この値段で、買わせて頂いていいのだろうか?
さらに、この夜光貝は、食べた後に楽しい作業が待っている。
《夜光貝磨き》
サンダーという機械で、ピカピカに磨き上げるのだ。
沖縄系のお土産屋に立ち寄ると、
宝石のように磨かれた夜光貝が、ウン千円で売られている。
夜光貝磨きには、人を極端に夢中にさせる魔力がある。
毎日毎日磨き続けて、手が腱鞘炎になり、
医者通いをした友人を知っている。
タメトウさんだ。
私も人の事を笑えない。
ぶっつづけに座り続け、サンダーを握る。
数時間後・・
はっと気付き立ち上がろうとしたら、足が動かなかった。
腿の筋肉が、おかしくなったのである。
2週間ほど、まともに歩けなかった覚えがある。
そして今、目の前に、その貝がある。
自分が魔力に摂りつかれそうな波に襲われているのが分かる。
あぶない・・
貝から目がそらせなくなっている。
危険だ・・
私は、無事でいられるだろうか?
ティダラ貝 島タコ トコブシ 夜光貝