「船酔いを克服するコツは?」
釣り船に乗る。
船は揺れる。
酔う。
この酔いをどうすればいいのだろうか?
誰もが悩む。
悩みたくない人は、そもそも船に乗らない。
でもそれでは、船に乗る楽しみが味わえない。
釣りの興趣も、知らないままで終えてしまう。
朝日に輝く洋上で、深呼吸をしないままになってしまう。
一匹も釣れず、
カモメにバカにされる悔しさも経験しないまま・・
では、
酔わない方法があるのだろうか?
あえて言おう!
「ある!」
釣具店に行くと、酔わないリングだの、
磁石だの、ドリンクだのが売られている。
それも、ひとつの方法だ。
そこで、私は考えた。
酔いは、精神的な要素がすこぶる強い。
「自分は、酔う」と感じると、酔い易い。
「私って、酔い易いんですよォ~」
宣言しただけで、すでに、酔いのレールにのっている。
船酔い克服法その1
《自分より船に弱いヤツと一緒に乗る》
アナタは、船酔いの先輩になるのである。
「うわあ~もうダメぇ~」
船べりにしがみ付いた最初の人間が、自分でなかったら?
(ふむ、奴らより、大丈夫なところを見せないとな)
「ハアハアハア~」
初めて船に乗ってあられもなく無様な姿を、
露呈している奴らを見おろしながら、
手を差し伸べるのである。
「ベルトを緩めて、大きく息を吸ってぇ」
アナタだって、まだ2回目の乗船に過ぎないが、
先輩なのだ。
介抱する余裕などある筈もないのだが、
あえて、先輩風をふかす。
すると・・だ。
船酔いに向かう時間が延びる。
初めて乗船したとき、30分もたなかったアナタが、
2時間我慢できたりする。
前回より海は荒れているというのに・・
人は、
我慢しようとするより、立派であろうとする方が、
より強くなれるような気がする。