<抱きマクラ>使ってますか?
「体に良い」と抱きマクラが通販で売られている。
写真では、ベッドの上に女性が横たわり、
抱きマクラを横向けに抱いている。
私は、あの写真に異を唱える。
あれは、使用例をしっかり見せる為に、
ある物がない。
ある物とは・・
《かけぶとん》
現実の睡眠を想像してみよう。
アナタは、左側に抱きマクラを抱えて眠っている。
やがて、寝返りを打ちたくなった。
ここで、
抱きマクラを越えて反対側に行くヤツなんかいやしない。
通常は、
抱きマクラを
自分の上を通過させて、右側に移そうとする。
すると、具合の悪いことがおこる。
抱きマクラと布団の摩擦が大きく、布団が引っ張られる。
まるで、コロの上に乗った物体のごとく、布団が動くのだ。
アナタはただ、左から右に向きを変えただけなのに、
布団が右側にほとんど移動してしまい、
背中側の布団がはがれてしまっている。
こいつをなんとかするには、
抱きマクラを抱えたままの状態で、布団を元の状態に、
送らなければならない。
上半身と下半身の布団を同時に、右から左に送る。
眠っている最中にいともややこしい運動をする羽目になる。
手と足が、布団の中で、バタバタと動いている。
当然、右から左に寝返りをうつ際にも、同じ動作を強要される。
一晩にうつ寝返りの回数分、布団送りを繰り返す。
抱きマクラが見えない第三者が、その様子を眺めていたら、
とんでもなく寝相の悪い人を目にするだろう。
もう、眠ってなんかいられない。
安眠するべく抱いているマクラのセイで、
眠れない夜を過ごすのだ。
この苦悩が、これから夏に向かうと、さらに加速する。
掛け布団が薄くなればなるほど、摩擦係数が大きくなる。
まとわりついてくる。
元に戻すのに、ややこしい手足の動きを必要とする。
「こんなわけわからん動きできるロボットないやろ!」
ついに、悪態までついてしまう。
そこで、急遽の策、
寝返りの時、
抱きマクラを連れてこない方法を用いた。
つまり、手放すのである。
ふむ・・・
布団問題は解消されたが、
片側だけの抱きマクラ使用でいいのだろうか?
体幹のズレとか生じるのではないだろうか?
そこで、急遽の急遽。
《抱きマクラふたつ使用》策をとりいれた。
両側に、抱きマクラを置いておき、
寝返りをうったら、反対側の抱きマクラに抱きつくのである。
さて、成果やいかに!
大成功・・と思いきや。
抱きマクラを抱いていない背中側に、
洞窟のような隙間ができ、
風がスースー。
う~む、うまくいかない。
みんなどうしているんだろう?