絵本屋がオープンしたというので、のぞいてみた。
世の中に《絵本屋さん》というカテゴリーの店舗があるとは、
知らなかった。
ガラリとドアを開けて、店に踏みいるや、
色鮮やかな絵本が、所狭しと飾られてある。
棚という棚に、「よくまあ、こんなに」、
声が出そうになるくらい陳列されている。
最近絵本を見てないな・・
棚の一冊を手に取る。
そう云えば、<ベネッセ>という会社が、
まだ、<福武書店>と呼ばれていた頃、
絵本の朗読に携わった事がある。
私が絵本を読む。
その音声をカセットテープに吹き込み、
お母さんが子供に読み聞かせる際の、
手引きにしてもらおうという企画だった。
絵本の中には、動物が登場する。
動物は日本語で喋る。
だから、
こわいろを使わなくてはならない。
犬や猫の登場は、簡単だった。
鳥もまあまあ、いけた。
なにしろそれらは普段、声を発している生き物だからだ。
やがて、トンボや、モグラが出演すると、
かってな想像で喋りをこしらえた。
その辺までは、動物であるから、なんとかなった。
そのうち、モミの木だの、切り株だのが喋りだす。
植物の登場だ。
そこはひとつ、植物の気持ちになって、のりきった。
絵本作家というのは、面白い人達である。
川や滝に喋らせるのである。
風がお喋りをしたりする。
無限の創作ワールドである。
私が思いついた川の流れが、幼少の子供を教育しているのだ。
ある意味、絵本とは、
とんでもない空想の世界を旅する事ができる魔法の書物だ。
今、30才くらいになった人は、
私の風の声を聞いたかもしれない。
おっ、面白そうな絵本を見つけたゾ。
絵の中に、神奈川県の三浦半島の風景が登場している。
その絵本屋さんの名前は、
《
うみべのえほんやツバメ号》