常に気になるのは、我が家の庭に植わっている、
<グミ>である。
25年前に、実を食べたいが為に、植木屋で買い求め、
植えたグミだ。
それ以来、毎年、その実が成るのを首を長くして待っていた。
ところが、待てども待てども、グミの実が成らない。
毎年、枝を切ったり、撫でたり、囁いたり、
様々な策をこうじてきたが、グミは押し黙ったままだった。
そのグミが・・
昨年、10数個の実をつけた。
感激のあまり、丁寧に実をつみとり、
一粒一粒、おし戴いた。
そして、今年・・
なんと、数十個の実が、ぶらさがっているではないか!
ついにその日が来たのだろうか?
グミはその気になってくれたのだろうか?
緑の葉っぱの影に隠れるように、真紅の実が、
輝いている。
この調子で、ホップ、ステップ、ジャンプと、
来年には、《たわわ》を味合わせてくれるかもしれない。
《
グミのたわわ》
こう書いただけで、口中に唾液がふきだしてきた。
《
グミのたわわ》
声に出してみたが、素敵な響きだ。
さ、アナタも声に出してみよう!
たわわの<わ>のところで、下あごを震わせてほしい。
たわわわゎゎ~余韻を残せば、もっといい。
グミを食べたことのない方に、その味を伝えるのは難しい。
どちらかと云えば、甘酸っぱい中に、
渋さが混じる。
「渋い旨みなど世の中にあるものか!」
いぶかるアナタには、むいていないかもしれない。
食べてくれなくて結構である。
これからの時代、グミは、好きな人だけが、
こっそりと味わう果物になるのだ。
最高の食べ方は、樹から直接もぎながら、
口に運ぶのである。
一粒づつ、うっとりと目を細める果物になるのだ。
食べても食べても、大量に成っているその実に、
満足の笑みで、ついつぶやく。
《
グミのたわわゎわゎゎ》
4枚の写真を全部足した量が成った。