「アナタは、ゴルフのプロになりたいですか?」
ゴルフのプロになるには、条件がある。
プロ登録試験?
年齢?
いえいえ、もっと、過酷な条件なのだ。
その条件とは・・?
《ティーショットをシャンクしてはならない》
※;シャンク
ミスショットの類で、
打った球が、とんでもない方向に飛んでいく。
我々アマチュアが、ゴルフをやる場合・・
ティーグラウンドでバシッと打つと、
数回に一回、あさっての方向に飛んでいく。
「あははは~」
と笑ってくれるのは、友人とラウンドしている時。
「ナイッショ・・」
っと言いかけて言葉がとまるのは、
知らない方と一緒にプレーする時。
この、<あさっての方向>が、問題となる。
テレビを観ている。
ゴルフ番組をやっている。
カメラは、ティーショットシーンを、とらえている。
プロは、遥か300ヤード先の緑の箇所を見つめている。
まるで針の穴を通すかのようなチャレンジだ。
そのボールが飛んでゆく筈の弾道の両側に、
大勢の観客が陣取っている。
とんでもないくらい近くに陣取っている。
100~200人ほどが、立ち尽くしている。
幅は、20mもない。
ショットするプロからの距離も、30mと離れていない。
まさに、針の穴だ。
「お静かに・・」
この状態で、ティーショットを打たなければならない。
これこそが、プロの条件だ。
世間で、よく言われる言葉がある。
《何がおこるかわからないのが、ゴルフだ》
そう、たとえ、プロでも、何が起こるかわからないのだ。
なのに、観客は、
時速100キロを遥かに超える弾丸の前に立とうとする。
その人々を前に、プロは、ミスショットが許されないのだ。
もし、ミスするならば、それは、
《未必の故意の殺人》
そう呼ばれて、2時間ドラマで扱われてもしょうがない。
さ、それでもアナタは、ゴルフのプロになりたいですか?
ナイッショッ!