《とどのつまり》
この言葉は、出世魚から出た起源の言葉だ。
<イナ> <ボラ> <
トド>
ボラは、出世魚として名高い。
名高い割に、三つしか出世しない。
それでも、最後には、80センチクラスのトドとなる。
で、
もうこれでお終いってんで、
《とどのつまり》と呼ばれた。
「とどのつまり、これ以上もうしょうがないネ」
使用例としては、
マイナスの言葉として使われている。
ところで、
出世魚の代表は、やはりブリだ。
モジャコ、ワカシ、イナダ、イナワラ、ワラサ、ブリ。
日本の会社のサラリーマン並みの出世をする。
つまり、ブリは社長だ。
ここで、疑問がわく。
ブリの場合、
もうこれでお終いってんで、
なぜ、<トド>と呼ばなかったんだろう?
ボラより遥かに、出世街道が長い。
だったら、トドの命名は、ボラではなく、
ブリにその名誉を与えるべきでなかったのだろうか?
ここで、私は、
ボラとブリの日本における魚としての力量をはかる。
ボラは、食用において、ブリに負けすぎている。
話にならないほど負けている。
ボラ、ブリ。
バ行とラ行を使う二文字の魚であるくせに、
人気は桁外れだ。
ボラの哀れさは目を覆わんばかりだ。
では、ここで、聞こう。
もしブリという魚が、
トドと呼ばれていたとしたらどうなっただろう?
《とどのつまり》という言葉はどうなっていただろう?
「とどのつまり、素晴らしい企画じゃないか!」
プラスの言葉として使われただろう。
ボラとブリ、必死で海中をあえいでいるらしいが、
人間が、これほど関心を持っているとは・・
夢にも思うまい・・
日本で一番長いベンチ