グゥオオオオオ~~~!
穂高岳連峰の涸沢カールの中で、眠りにつこうとした私。
山小屋の夜は早い。
5時に夕食を食べ、7時には、床につく。
わが部屋キヌガサソウは4人部屋だ。
部屋ったって、カーテンを開ければ、隣の部屋、
アッチの部屋、ソッチの部屋と筒抜けである。
グゥオオオオ~
いきなり始まった・・イビキだ。
しまった、のりおくれた!
複数の人たちと眠る場合、肝心なのは、
<先に眠ること>である。
のりおくれたと気づいた時には、すでに遅し。
これからモンモンとした時を過ごすことになる。
ところが・・・
イビキは、すぐに止んでしまったのだ。
夕食時を思い返してみた。
宿泊客の平均年齢が、60を超えていた。
ってぇ事はだ・・ひょっとすると、
イビキとは体力を必要とするのだろうか?
20代、30代の頃に合宿をすると、
夜、往復イビキありの大合唱で、凄まじかった覚えがある。
ゴジラやゾウ、はては恐竜までもが登場したもんだった。
それが、夜通し続くのである。
そして、朝になると、
「いやあ~怪獣の雄たけびで眠れなかったよ~」
全員が同じセリフを吐く。
つまりは、
体力があってこそのイビキなのである。
「いやあ~凄いイビキですナ、お宅もまだまだお若い!」
ご隠居同士で交わされる、イビキ談話があるかもしれない。
涸沢ヒュッテの屋上テラス