大キレットを説明しましょう。
上の写真の、右が北で、左が南。
鍋の底のようになっている所が、大キレットの鞍部だ。
右から降りていった。
東京タワーより高い。
標高差、300~400mである。
「その曖昧さは何?」
その問いには、こう答える。
山の稜線は、登ったり下ったりなのだ。
本日は、写真ばっかりなのである。
まずは、いきなり、下りの岸壁が現れる。
途中、《長谷川ピーク》と呼ばれる岩場がある。テッペンには、《HP》と岩に書かれてあった。
ナイフリッジを攀じ進む。
下を見ると、数百メートル下に、ささやかな雪があった。
人の横顔のような岩を越えてゆく。
いよいよ、大キレットの登り。
見上げる。
この2倍以上の岸壁が、その先にある。
ほんとにコレを登れと言うのか?
見上げた角度を測ったところ、65度を越えていた。
「ゆくゾ!」
こういう時は、
いくより、
ゆくの方が、
気持ちが入ることが分った。
この大キレットには、
《飛騨泣き》と名づけられた有名な難所がある。
飛騨、つまり信州側から岐阜県側に、身体を投げ出し、
岩場を攻略する箇所を指す。
大キレットの核心部と呼ばれている。
「もし落ちたら数百メートル」の岸壁に身を躍らせるセイか、
誰もが泣くんだそうだ。
それで、飛騨泣き。
こういう時、私的には、是非泣きたい。
ギャーギャー、ビービー泣いて通過したい。
そして、あとになって、
「ああ~恐ろしかったあ~!」
おおいに泣きを反芻したい。
ところがである。
「あれ?飛騨泣きって、もう通過したんでない?」
知らないうちに、過ぎてしまっていた。
かくして、
北穂高の頂上にある山荘に、
無事たどり着いたのだった。
頂上直下 小屋が見えたゾ!