「明かりのスイッチが見つからない!」
私は、又、ホテルで試されている。
以前から、ホテルのスイッチ問題で辛い時間を過ごしてきた。
明かりが消せないまま、夜を過ごしたことすらある。
しかし、最近では、ホテル側も、反省したらしく、
一発で消せるスイッチとか、
いっそ、明かりを極端に減らすとか、
宿泊者の悩みを解消してくれている。
いるもんだと、思い続けていた昨日のことだ。
ん・・?
入り口灯が消えないゾ。
え~と、枕元のスイッチを全部試してみる。
ダメだ。
歩き回る。
入り口はもちろん、部屋中くまなく探す。
ベッドの横とか、洗面所の周りとか・・
無い。
さきほどしたためたビールのセイなのだろうか?
頭脳が明晰に働かない。
「ないものはない!」
声に出して言ってみた。
なにも解決しなかった。
フロントに電話しようかと、電話に手が伸びる。
しかし・・もし簡単な場所にあった場合・・
「702の部屋のヒト、イシマルってゆうの?
あのスイッチが見つからなかったんですってぇ!」
夜番から、朝番のフロントに、
お馬鹿加減が、伝達されるかもしれない。
朝、キーを持ってチェックアウトに現れた、
《スイッチ見つけられないお馬鹿》をひと目みようと、
奥から、ゾロゾロと見にくるかもしれない。
「うふ、このヒトだぁ~」
ううぅ~屈辱だ。
電話から手を離す。
なにがなんでも、スイッチを見つけねべば。
この際、
這ってってでも、見つけ出すのだ!
っと、入り口の床近くに、何かある。
這った。
あった。
センサーになっているらしい。
人が通ると、点く仕組みになっている。
だから、私がスイッチを探すために、その辺りを動き回れば、
動き回るほど、スイッチが入り、切れなかったのだ。
なんと!
よかった、フロントに電話しなくて・・
いや、よくないヨ。
目が覚めちゃったじゃないか!
うぅぅ、いつか勝利してやる!
まだまだ、ホテルとの戦いは続くのだった。