デジカメの中から、どうしても消えない写真がある。
私の機種は、パナソニックの《LUMIX》という奴だ。
防水、落っことしても、壊れないという優れものだ。
しかし、ある一枚の写真だけが、どうしても消えてくれない。
ちょいと山に登っただけで、200枚も300枚も、
撮りまくる私だ。
パソコンに移したあと、
「全部消去します」表示で、撮った写真を消す。
すると、
「表示できる画像がありません」
完全に消えましたヨと、答えを出してくれる。
そして、次の撮影後に、驚くことになる。
又、一枚だけ例の写真が残っている。
例のとは、冒頭の、
キューセンの写真だ。
べラのオスをキューセンと呼ぶ話を以前にした。
その折に出演願ったキューセン君が、
消せども消せども、デジカメから消えてくれない。
まるで、亡霊のように、浮かび上がってくる。
デジカメのアチコチを操作してみるが、埒が明かない。
まあ、たまたまこのキューセン君だったから、いいものの、
危ない写真とかが、
どうしても消せなかった時はどうすりゃいいの?
「危ない写真って、何ですか?」
そらアンタ・・マグロのお刺身とか、イカの丸焼きとか・・
「ウソつけ!」
話を進める。
強引に現れるキューセンに、時折、話しかけている。
「なにか、用事でもあるのかい?」
「そういえば、食っちゃったネ、供養してあげようか?」
「どうしたら、消えてくれるかい?」
そっか、このカメラを作ったバタヤンに頼めばいいじゃないか!
電話をするのは、めんどくさいから、
そのうち頼むネ、バタヤン!
危ない写真