《洞窟フェア》
東京は、池袋にある本屋が催していた。
本屋の一角に、洞窟関係の本を並べている。
確かに、普段お目にかかれないモノばかりだ。
《ケイビングジャーナル》という雑誌をぺらぺらめくっていると、
同行の、日本ケービング協会会長の、吉田さんの記事がでている。
なるほど、アチコチの洞窟に潜っている様子が知れる。
世界のどこそこの洞窟の発見など、
新聞では読むことの出来ない内容が、満載だ。
(ほう、この洞窟も吉田さんの発見か・・)
っと、その隣のコーナーに、妙なモノがあった。
《暗黒団コーナー》
なんじゃこりゃ?
π(円周率)の冊子が売られている。
中を覗いてみると、円周率が、100万桁書いてある。
つまり、数字が1000000個並んでいるのだ。
それだけの冊子である。
誰がこんなモノを買うんだ?
その横には、《月間円周率》なる冊子もある。
そんなモノが商売になるのか?
さらには・・
《e》って、確か習ったナ?
《p》って何だっけ?
《φ》?
《素数》って、ひょっとして素数を100万ほど書いてあるの?
誰が、これらの冊子を買うっていうんだ?
その後、レジで、2万円分の本の代金を払ったのだが・・
πの冊子が紛れ込んでいたような気がする。
数ページにわたる100万桁の数字の羅列