「こちら管制塔、聞こえますかどうぞ」
『・・・・・』
「こちら管制塔、78便、聞こえますかどうぞ」
『・・・・・』
航空パニック映画のワンシーンである。
この
無線の使い方が疑問なのである。
映画の中では、延々とコレを繰り返す。
「聞こえましたら、応答願いますどうぞ」
《なぜ、肝心の情報を送らないのだろう?》
相手は聞こえているのかもしれない。
返事ができないだけかもしれない。
ならば、聞こえているという前提で、
とりあえず、今わかっている情報を伝えるべきだ。
あるいは、今後の対策を知らせるべきだ。
例えば、
「78便、そちらがレーダーから消えて5分経つ」
「78便、こちらから確認できる範囲では、
機体に損傷はない」
「78便、120度旋回して、40キロ先のケネディ空港に向かえ」
返事がなくとも伝えられる事はごまんとある。
ところが・・
「78便、以前応答がありません」
『応答するまで呼び続けろ!』
チーフの叱咤はいつもこうだ。
これに、観客はいらだつ。
(だからぁ~聞こえてるってばぁ~)
いらだつ・・?
そうか、
客をいらだたせる為にわざとやっているのか?
わざと、アホなまねを繰り返しているのだ。
『呼び続けろ!』