「熱い!」
熱々の肉を口に放り込んだ。
このままでは、舌を焼けどする。
ただでさえ猫舌なのに、これはまずい!
すると・・・
ブルブルブル
顔を痙攣ぎみに、左右に振っている。
ホホの中で、熱い物体を振り回している感覚だ。
この動きは何だろう?
親や兄弟に教わった覚えはない。
本能だろうか?
猫舌の親分、猫もこのブルブルをやっている。
ってことは、動物の本能だろうか?
習性だろうか?
しかし、この顔を振る動作に合点がいかない。
振るとどうなるのだろう?
《熱い物体が動いて、一箇所をヤケドしない》
いかにもそのようだが、ほんとにそうだろうか?
試しに今、さほど熱くない肉塊を口に入れ、
熱いつもりで振ってみた。
ブルブルブル
振ると言っても、0,5秒ほどの間だ。
ところが、中で振られる筈の、肝心の
肉塊は振られていない。
揺れているのは、ホホ肉ばかりだ。
つまり、この行為は、形ばかりのイメージである事がわかった。
《こう揺すれば熱くない》
このイメージでホホを振っていたのだ。
では、このイメージをどうやって獲得したのだろうか?
アナタ・・・誰かに教わりましたか?