「お湯の温度はよろしいでしょうか?」
美容院で、髪を洗ってくれる女性が聞いている。
そこで、私は、こう答えたい。
『
冷たい水で洗ってください』
暑がりの私だ。
夏には、風呂場での洗髪を水でやっている。
冷たい水を全身に浴びながら、キャーキャー騒いでいる。
そんな私が、美容院で横たわり、頭だけを洗われている。
頭とは、放熱の為に付いているような部位だ。
頭寒足熱のズだ。
そこに、温かいお湯を掛けると云うことは、
体全体を暖める事になりかねない。
実際、お湯をシャワーで掛け始めると、
私の体は
熱を帯びてくる。
横たわっている背中にジンワリと汗が滲んでくる。
『すこしだけ、ぬるめに・・』
やんわりお願いする。
だが、本当は、
『
氷のような冷たい水で洗ってください!』
言ってみたい。
手が切れんばかりの冷水を頭にかけて貰えれば、
ス~として、いい気分でいられるのだが・・
さすがに、それは、洗ってくれている方に失礼だ。
ただでさえ、毎日何人ものヒトの頭をシャンプーで洗い、
手の荒れを心配している。
よもや冷水などに手をつっこんで貰うなんて、非道である。
そこで、歩み寄りとして、
『ぬるめで・・』
どこぞに、
手が火照ってたまらない美容師さんがいないかな?
ぜひ、
氷水で、洗いたいと願っている美容師さんがいないかな?
クレパスの底を流れる氷水