車のメーターが、
10万キロに近づいているではないか!
っという事はだ、例によって、
9の連番が、直前に見られるという事だ。
<見られる>と言ったが、本当に見られるだろうか?
これまで、距離計の連番を、アナタに報告し続けてきたが、
実際、連番を捉えたのは、ほんのわずかに過ぎない。
大概の場合、5キロ以上通り過ぎてから、気づいている。
「うわあ~過ぎてるぅぅ~!」
直前まで、
「あと10キロ・・あと5キロ・・あと2キロ・・・」
カウントダウンまでしていながら、肝心の連番の瞬間に、
他の事を考えている。
では、今回の10万キロは視認できるのだろうか?
カメラに収められるのだろうか?
すべては、
私の注意力にかかっている。
ところで、車のこんな記録を知っているだろうか?
《10万キロ速度記録達成》
今から、24年前、1989年、
スバル初代レガシーが、アリゾナのテストコースで、
10万キロを19日間で走りきった。
447時間44分09秒887、
<平均速度
223,345キロ>
この記録は、その3年前に、
スエーデンのサーブが出した記録を10キロあまり上回った。
給油をはじめ、すべての停止を含んだ平均速度記録だ。
なんで、そんな事を知っているかって?
実は、そのプロジェクトに、
イシマルが、ナレーションという形でかかわっていたのだ。
そしてこの記録は、2007年に、
ベンツが、平均速度を2キロだけ上回るまで、維持された。
そこで、想像してみよう。
レガシーのドライバーは、10万キロ達成の瞬間を
どうやって確認したのだろうか?
目で見ていた?
ブザーが鳴る仕組みだった?
いやいや、厳密なタイムにチャレンジしているので、
そんな曖昧さでは、科学的とは言えない。
恐らく、
10万キロ達成の瞬間に、
すべてを記録する装置があったと推測する。
そして、我、10万キロ達成の瞬間だ。
レガシーのような立派な装置は無い。
頼れるのは、私の
注意力と、
執念だけだ。
(執念って何やろ?)
その瞬間は、やってきた。
車を駐車帯に停めた。
《99999》
さらに、1キロ先で停めた。
《100000》
どうだ!
(何が
どうだ なんだろう?)