《干物をつくる》
釣りに行き、大漁で喜びながら、
そのあとの魚の食べ方に思いを馳せる。
当日、翌日、に食べられない分は、冷凍にするか、
干物にする。
ここで、質問だ。
アナタは、干物とは、
魚が古くなったから、こしらえる、
と思っていないだろうか?
「刺身で食べられんケン、仕方なく干物でもすっぺ」
この会話は、間違ってはいないが、正しくない。
干物は、
魚が新鮮であればあるほど、旨いのだ。
極端な造り方を紹介すると、
船の上で、釣ったばかりの魚を干物にしたモノが、
一番うまい。
食ったら、「あ~~~~」っと必ず吐息をもらす。
生よりうまいと豪語する輩もいる。
でっかい鯛が釣れ、船上で、いきなり捌きだし、
刺身かと思いきや、ロープに干す人もいる。
イカなんぞは、そこら中、洗濯物のように干されまくる。
3キロはあろうかというワラサ(ブリ)を、
ダラリと干しているのには、さすがに驚いた。
釣りに行かなくても、新鮮なアジを自宅で干せる。
~干もの教室~
スーパーで刺身用と表示しているアジを買い求め、
まな板の上、背開きにする。
背開きとは、アジの背中に包丁をあて、腹側の皮を切らずに、
開くやり方だ。
刺身のように、気を使わなくてすむので、大胆に開こう。
タクアンを切れる人なら誰でもできる。
わからない人は、実際のアジのひらきを見ながらやってみよう。
ハラワタだけ出して洗い、
あらかじめ作っておいた塩水に浸ける。
塩みずと同じ10パーセントの塩水で充分。
時間は、10~15分。
塩水から取り出したら、軽く水気をとり、
魚干し網に並べる。
網が無ければ、ザルでもいい。
晴れた夜、ベランダに干そう。
なるべく、
寒い風が吹く夜が望ましい。
「え~今夜は雨なんですけんど」
大丈夫です。
室内に干して、扇風機を当てましょう。
しずく用に、床に雑巾を忘れずに。
翌朝、えもいわれぬ姿に変貌したアジの干物が出来上がる。
いわゆる《一夜干し》
北風が、ほとんど出来具合を決める。
さ、焼いて食べよう。
自分が作ったモノは、なんでも旨い!
人様に出せるレベルに達したら、
もうアナタは干物達人だ。
次には、釣り具屋に走るだろう・・