「社長、大変です!」
『なんだ?』
「例の、メニューが偽物ではないかと、客が騒いでます!」
『バ・・バレたのか?』
「まさか、あのエビの味の違いが解る客がいるとは・・?」
『しょうがない、記者会見を開くしかないナ』
ガヤガヤガヤ~
「社長、どういう事でしょうか?」
『ごらんの通り、間違った品を提供しておりました』
「
偽装という事ですか!」
『
ギソウと言われれば、その通りかもしれません』
「認めるんですネ」
『はい』
ザワザワザワ~
「なぜ、車エビだったんですか?」
『知っての通り、我が社は車エビを大量に養殖してまして』
「ええ、そうですネ」
『系列レストランでは、
小エビより安く、
車エビを使えまして』
「それで?」
『それで、本来なら<小エビのフライ>というメニューで』
「メニューで?」
『車エビを使ってしまいました』
「小エビのフライ定食550円を、車エビで?」
『申し訳ございません』
「小エビのフライと称していながら、小エビの何倍もする、
車エビのような高価な食材を
安い値段で食べさせて、
罪悪感は無かったんですか?」
『まあ・・いいかな・・と』
ドヤドヤドヤ~
「社長!ちなみに、味噌汁に伊勢海老を使ってますよネ!」
『まあ・・いいかな・・と』
てな、記者会見は・・・ないかなぁ~
偽装の名人 ヤドリギ