「グギッ!」
なんかイヤな音がした。
ウインドサーフィンで海面を滑走していた。
強風注意報が、神奈川県に出ており、
南西の風が、10mを超え、セールサイズは4,7㎡。
ウネリがかなり大きい。
そんな時だった。
ジャンプして降りる際、失敗して、落ちてしまった。
そんなのは、年がら年中なのだが、
ストラップから足が抜けなかった。
「グギッ!」
右ヒザの靭帯が、イヤな音をたてた。
水中から顔を出し、陸方向を見る。
すると、そこには、<津久井浜整形外科>の看板が・・
私の主治医、大畠先生の経営する病院である。
なんとか陸に辿り着き、整形外科の玄関をくぐる。
診察カードと保険証を差し出す。
(なぜかいつも、当院の診察カードと保険証を持参している)
「今日の、担当先生はどなたですか?」
『大畠先生ですヨ』
「今日、日曜日なのに?」
『月に一度の日曜診療日です』
凄い!
なにが凄いかって?
前回、崖から落ちて、当病院に運ばれた時も、
大畠先生の、月に一度の日曜診療日だった。
思い返してみると、これまで、6回ほど怪我で、
当病院にかつぎ込まれた。
その
すべての日、担当医が、大畠先生だったのである。
病院長とはいえ、担当日は、週に2~3日だというのに。
これはどういう偶然であろうか?
良かったと、もろ手を挙げて喜ぶべきだろうか?
それとも、大畠先生の担当日には、
私は、慎重に行動しなければならないのだろうか?
特に、月に一度の日曜診療の日は、
家で、ジッと本でも読んでいなければならない。
間違っても、強風警報が出ている海になんか出るべきでない。
私の仕事のスケジュール表の脇に、
津久井浜整形外科の、
診療担当医の表を付け加えよう。
特に危険な日を
赤いマジックで塗っておこう。
「イシマルさ~ん、お薬出てますのでネ、
松葉杖はレンタルですのでネ」
『知ってま~す』