アナタは考えた事がないだろうか?
「まさか、このエレベーター止まらないだろうな?」
小便したい!
部屋に着くまでの辛抱だ。
膀胱がパンパンに膨れ上がった状態で、
乗ってしまったエレベーター。
ところが、もし・・
「今、地震とかが起こって、止まったらどうする?」
どうする?
ったって、どうしようもない。
この密室で、希望階を押しただけの自分。
小便欲求が、限界にきている自分に過ぎない。
我が部屋にたどり着けば、なんとかなると、なにげなく、
エレベーターに乗ったお馬鹿である。
希望階は、8階だ。
8階まで、何事もなく、たどり着けるだろうか?
確立からすると、99%以上で着ける。
いや、99、99%!
それでも、わずかながらの不安が残る。
もし・・・
もし今、何か不都合があって、エレベーターが止まったら・・
それも長時間止まったら・・
私は、
小便を漏らすかもしれない。
この恐怖は、エレベーター特有のものだ。
都会で暮らす人達が、無意識で震えている恐怖かもしれない。
《エレベーター内の失禁》
そこで、我々は、自衛策を講じている。
エレベーターに乗る前に、トイレに行く。
目的地に向かう途中にエレベーターが有ると察知した場合には、
その前に、トイレに行くのだ。
わずか1%以下の確立でも、賭けるわけにはいかない。
《エレベーター内の失禁》の屈辱を、生涯味わないためにも、
予備行動として、トイレに行く。
行きたくなくても、取りあえず、しておく。
「イシマルさん、二次会会場は、エレベーターで上ですってば!」
『ごめん、ちょっと、トイレへ』
私はこう呼ぶ。
~ころばぬ先のトイレ~