《神奈川県は、犬の形をしている》
ネットの地図を引っ張り出し、神奈川県を見てほしい。
子犬が、右を向いた形をしている。
ついでに、茨城県も見て欲しい。
猫が、行儀よく、両前足をそろえて、座っているように見える。
関東に、猫と犬がそろっているのだ。
その犬の、前脚が、三浦半島だ。
この
海岸線の波打ち際を走破する計画を、
2年前に開始し、嬉々として進んでいたのだが、
途中で、崖から転落し、腰を打撲するという怪我をおった為、
一時中断を余儀なくされている。
あと、10キロほどで、地図作りが完成するというのに、
放りだしたまんまだ。
海岸線とは、実に入り組んだ形状をしている。
自動車道路で、50m進む距離を行くのに、
海岸線は、海に向かって、複雑に伸び、
数百あるいは、キロほども延長される。
しかも、崖が、切り立っており、登りも下りも出来ない所では、
クツを脱いで、浅瀬を歩く場所もある。
潮が退く瞬間に、走り通る場所では、
失敗すると、ビショ濡れになる。
ところによっては、海触洞窟があり、
通過するのに、橋を架けねばならない箇所もある。
今、橋を架けると言ったが、
どうやって架けるのか?
そんな場所が出現する予感があると、
海岸に流れついた流木を拾って、担いで行くのである。
人ひとりが乗っても折れない強度の流木は重い。
ヨイショヨイショ~
やがて、岩と岩の間に流木を架ける。
ここで、滝田くんにご登場願おう。
岩に架けた流木を、私が腕で固定している間に、
滝田くんが、綱渡りよろしく、慎重に渡る。
次に、渡った滝田くんが固定している間に、私が渡る。
こうやって、尺取り虫戦法で、次々に、岩を繋いでゆく。
渡り終えたら、流木は捨ておく。
次の誰かが利用するやもしれぬが、
おそらく、誰も来ない場所だから、
名も知らぬ遠き島へと、古里の岸を離れて、
なれはそも波に、再び流れゆく。
いずれの日にか岩礁地帯地図が完成したあかつきには、
発表いたそうと考えているのだが、
おもいやる八重の年つきになったらどうしよう。
写真の、ど真ん中に居る私