さあ、スキヤキだ!
私が造るスキヤキは、面白い。
どう面白いかと云うと・・
「砂糖を使わない」
砂糖を一切使用しないスキヤキだ。
甘みは?
当然の疑問が湧く。
グツグツグツグツ
日本酒とミリンと、タマネギのみじん切り。
こいつを、40分間、グツグツと煮る。
すると、甘いタレが出来上がる。
このタレこそレシピとして使用する。
まず、牛肉を鍋で焼き、そこに、このタレを注ぐ。
一分ほど煮込んだら、やっと醤油を入れる。
あとは、野菜だのを入れ、普通に煮る。
グツグツグツ
すると・・あ~ら不思議、砂糖を入れてないのに、
砂糖が入っているかの如きスキヤキの完成だ。
「ほんとに砂糖入ってないの?」
「甘いわねえ」
友人らが感激してくれる。
っと、そこまでは良かった。
昨日のスキヤキの会で、私は大失敗してしまったのだ。
それは何か?
皆が食べ終わり、家から送り出した時になって、
ハッと気付いた。
「
卵を出すのを忘れた!」
なんと、スキヤキを卵をつけずに食べたのだ。
ひとり2~3個の卵を用意していながら、
冷蔵庫から出し忘れてしまった。
砂糖を入れていない鍋を力説するあまり、
スキヤキがスキヤキである為の肝心の条件、
《卵で食べる》という行為を忘れてしまった。
友人達も、ただ黙って食べていた。
おそらく、あまりの私の自信に、
言い出せなかったものとみえる。
「卵ください」・・と。