42年前から、憧れていた県は、長野県だ。
理由は、わかりやすい。
山があるから。
山と言っても、そんじょそこらの低山でない、
魅力あふれる山岳が、長野県にある。
そんじょそこらと呼び捨てられたアナタの裏庭の山には失礼だが、
そそり立つ系の山が、長野県に集められている。
世界的には、低いかもしれないが、
世界的に優れたピークが、いくつもあり、
海外から、登山者がやってくる。
日本は、箱庭という文化がある。
日本の山も、まさに山岳の箱庭かもしれない。
極端なケースでは、
都会から、日帰りだの一泊だのという山登りで、
3000m級の登山を味わうことが出来る。
金曜日の夜に、ネクタイを外した会社勤めのアナタが、
月曜の朝に、何食わぬ顔で、タイムカードを押している。
ところが、その何十時間の間に、実はアナタは、
とんでもない岩場に取り付き、
凄まじい尾根を走破していたのだ。
見る人が見れば、アナタの顔の色が、
さわやかに色濃くなっているのに気づくだろう。
そんな・・美しくも腰がムズムズする山波が、
まだまだ管理されない余力を残したまま、
長野県にあふれている。
で、その帰り道には、必ず、蕎麦屋に直行する。
蕎麦をたのむ。
すする。
ふとつぶやきが漏れる。
「量が多いナ」
他県に比べて、
盛られている蕎麦の量が多い気がする。
山から降りてきた、腹ペコの私が、つぶやいているのだから、
たぶん、間違いない。
どの店でも、多い量で一定している。
『信州では、○○グラムにしましょう』
まるで取り決めでもあるかのようだ。
これで、大盛りでも注文した日には・・・
と思っていたら、
隣のテーブルのおっさんが大盛りに喰らいついていた。
しかも、ミニカツ丼を、家来に従えてすらいる。
長野県の方が、東京に出張した際に、
蕎麦屋で並を頼むと、ガックリして肩を落とすと言われている。
(言われていません)
穂高町のワサビの里