ロッカーの前で
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 昨日、足しげく通う○○温泉、つまり、今はやりのスパにいた。
<240番>、コレが私のロッカー番号だった。

♪~いい~湯だな、ははぁ~ん~♪
一時間ほどの湯浴みをして、ロッカー前に戻ってきた。
ロッカーは通路のようになっており、
片側、30個ほどが並んでいる。
バスタオルで身体拭きふきしながら、
<240番>目指して進んでいると、
本日の主人公のオジサンが・・いた。

<240番>にキーを差し込もうとしたところ、
その途端、オジサンが、ガックリと肩を垂れ、
近くの丸椅子に座り込んだ。
ヒザに両手を押し当て、ハフハフため息をついている。
ふと、ロッカーを見ると、
私の隣の番号、つまり、<241番>にキーが刺さっている。
周りを見回したところ、他に客はいない。
さあ、私が何を言わんとしているか、解った方は、
同じモンモンとした経験の持ち主だ。

かねてより、私はこのロッカーの前で、苦悶していた。
《私のロッカーの隣を、いつも誰かが使用している》
扉が閉まっているという使用ではなく、
目の前で、私同様、扉を開けて、脱いだり着たりしているのだ。
こんなに広く誰もいない空間にも関わらず、
たった二人が、隣のロッカーを使っている!

コレって、もの凄く、運が悪いの?
運でいうならば、80パーセントの確立で、
いつも、隣で、誰かが着替えている。
ロッカーの幅は20センチしかない。
すると、隣同士で、着替えたりするのは、
邪魔きわまりない。
(こんなに空いているんだから、
 他のロッカー取れなかったのか?)
疑問が湧いてくる。
ところが、このロッカーナンバーは、入り口で、
スパの受付によって、振り分けられた、ロッカーキーなのだ。

さあ、冒頭のオジサンに戻ろう。
ガックリうなだれたオジサン。
その姿を見て、すべてを察知した私。
こ~んな広い通路で、なぜか隣同士をあてがわれた二人
思わず、バスタオルを腰に巻きながら、
少し離れて、着替えに入った。
うなだれオジサンも、諦めたのか、やんわりと立ちあがり、
ご自分の、ロッカーの扉を開けた。
っと、その時だった。

スタスタスタ・・・
一人の新たなオイチャンがやってきた。
スルスルと我らの脇を過ぎると、
「失礼しま~す」
キーをロッカーに差し込んだ。
<242番>

なんと、くだんのオジサンの隣、
つまりオジサンを、私とサンドイッチする位置のロッカーに、
キーを差し込んだのだ。
その刹那!

受付のバカモンが!!!

オジサンの重低音のつぶやきが、響いた。
その瞬間、すべてを悟った。
オジサンは、かねがね、憂慮していたのだ。
なぜ、いつもいつも広いロッカー室で、隣に人がいるのだろう?
なぜ、いつもいつも・・もう一回言うけども、
いつもいつも・・隣りのロッカーを使わされているのだろう?
この理由は何?
・・?
そうか!
受付が、ロッカー番号を割り振っているのだから、
その責任は、受付にある!
『受付のバカモン!!!』

この言葉を聞いた、<242番>のオイチャン!
やには、すっくと背を伸ばし、
ええ、そうですね!いつもいつも・・」

なんとこのオイチャンも、
積年の思いを背中にしょった、同士だったのだ。
かねがね、広い空間で、狭い思いをしてきた苦しみを、
同士として、握手できるその時を向かえたのだ。
バカモンですよね・・」
控えめにつぶやきながら、
つぶやきながら・・・
二人はつぶやきながら、
二つの首が180度グルリと回わってきた。
そこには、当然<240番>の私が裸で立っている。

「同士!」
裸でなければ、抱き合いたかった!
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by ishimaru_ken | 2014-03-06 05:52 | その他
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石丸謙二郎
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