《馬鹿風邪ひかない》
その馬鹿が、風邪をひいてしまった。
いつぶりだろう?
何年単位ぶりだろう。
よし、治すゾ!
私の治し方は、単純だ。
《食って、薬飲んで寝る》
「あったかいもの食べて、薬飲んで寝てくださいネ」
医者の仰るとおりの、優等生的な対処法である。
ただ・・・
ここで、大きな問題がおこる。
何が問題か?
アナタにも覚えがある問題かもしれない。
先ほど《 》くくりで書いた、文字を読み返して欲しい。
ここに問題の文字が書いてある。
《
食って・・・》
なんとか風邪を治さなければならない。
のっぴきならないと言い換えよう。
それには、栄養だ。
栄養ある食い物を食べよう!
カロリーを摂取しよう!
ところが、
普段から、ダイエットに励み、
カロリー控えめの、金科玉条の旗を振っている私だ。
その旗を、この時ばかりは、降ろさなければならない。
すると、どうなる?
「このときこそ!」
「今こそ!」
普段、食べたくて食べられない食材に手が伸びる。
体温計を脇に挟みながら、
脂ギトギトのステーキに舌鼓をうっている。
ピ~ピ~ピ~
体温計が騒いでいるというのに、
牛の脂身の部分を舌先で転がしている。
「だぁ~って、
食えって言われてるんだもん」
さらに、悪いことに、食ってすぐ寝る。
「だぁ~って、
寝ろって言われてるんだもん」
さらに悪いことに、しばらくして起きてくると、又、食い出す。
「だぁ~って、何かを
食って、薬飲めって言われてるんだもん」
さあ、食っちゃ寝ぇ~食っちゃ寝ぇ~食っちゃ寝ぇ~
風邪をひいてゲッソリという世間の常を打ち破り、
風邪をひいたら、ブッチョリ・・
生生姜