三重県には、松阪牛がある。
その昔、40年ほど前、松坂市にしばらく居たことがあった。
ある日、ふと
腹が考えた。
「ここはひとつ、松阪牛のステーキを食うべきではないか!」
腹は、財布の中身など全くオモンパカル事なく、
身勝手な発想をする。
「ここはひとつ散財をしよう!」
これも、
腹の考えだ。
腹に引きずられるように、店構えの立派な門をくぐった。
うろ覚えだが、<なんとか銀>と云う名前であった。
「お一人様ですか?」
そんな客は珍しいらしく、ジロジロみられながら、
広い客室に通された。
ほどなくお品書きが、届く。
ずしりと重い。
パラリと開いて、パタンと閉じた。
瞬間に、0が沢山目に入った。
3つ4つ並んでいるのが見えた。
カツどんが230円の時代である。
一日10時間のアルバイトで、2000円の時代である。
何を頼んだのか・・今となっては覚えていない。
どんな味だったかも、忘れた。
店を出て、川べりを歩いていると、
風に桜の花びらが舞っていたのは覚えている。
JRの松阪駅から、列車に乗り、名古屋方面に向かう。
やがて、ある駅に近づくと面白いものが見えてくる。
車窓から近づくホームを眺めている。
ホームの頭上に駅名を書く白いボードが、
斜めに見えてくる。
そこに、
ハテナと書いてあるのだ。
クエスチョンマークが、駅名看板に書いてあるのだ!
「なんだハテナって?」
駅長さんが、看板工事中につき、シャレてみたのだろうか?
やがて、列車はホームに滑り込む。
そしてよくよく見てみると、そこにはこう書かれてあった。
画面の左端に顔を寄せて見てみよう