手先が器用な人の親指は、《マムシ指》と云われる。
冒頭の写真は、私の右手の親指を写したものだ。
爪が
縦にではなく、横に広い。
しかも、他の指に比べて、短い。
私が、女性だった場合、
マニキュアを塗るのに、困惑してしまう。
「横に長いって、どういうことなの?」
この短い親指に気づいたのは、中学生になってからだった。
「イシマル君、ちゃんと、三、と指を出しなさい」
小学校の頃、先生に注意された。
私は、三を指で表す時に、親指と人差し指をくっつけ、
残った3本で、三を表現していた。
つまり、OKの形である。
「みんなと同じように、ちゃんと、三、をネ」
何度も諭されたが、なぜか出来なかった。
その理由を中学になって、初めて知ったのだ。
《親指が短くて、親指で小指が掴めない!》
そんな馬鹿なと思ったアナタ。
現にそうである私がいる。
私以外にも、マムシ指の人たちは皆、三ができない。
「え~~じゃあ困るでしょう」
人は心配してくれるが、実は、困ってはいない。
三を作ることなど、人生でそうそうない。
「ぼくいくつ?」
『みっちゅ』
それ以来、三が出来なくて困った事などない。
それどころか、マムシ指には、素晴らしい特技がある。
《起用》
指先が異常に器用なのだ。
非常に細かい作業を、なんの苦労もなく出来る。
手品などは、さして訓練しなくても出来る。
どうして、器用になったのか?
推測するに・・
親指が他の指より短いと、掴む、鋏むなどの時、届きにくい。
すると、なんとか届かせようとして、指は頑張って動く。
幼少の頃から、その頑張りが、指筋肉と神経を鍛えてゆく。
その結果、器用な指ができあがる。
さらに、親指が横に太いと、もうひとつ利点がある。
《親指だけで、腕立て伏せができる》
できるのだが・・・なんの役に立つのかと問われれば、
ほとんど、発揮する場所がない。
残念である。
届かな~い
みっちゅ