「パンツのゴムがユルい!」
声に出してみた。
これは、怒っているのではない。
喜んでいるのだ。
常日頃、パンツの腹のところを圧迫するゴムが、
きつ過ぎるのではないかとお悩みのアナタ。
その想いは、正しい。
そもそも、パンツにはゴムが無かった。
イギリス発祥のワイシャツは、現代と
裾の形状が少し違った。
現在のモノは・・・
ワイシャツのボタンを上から留めていくと、
下の方では、ボタンが終わったあとに、
10数センチの余り布が斜めにカットされている。
では、その昔はどうだったか?
その裾がもっと長く伸びている。
お尻側の布も伸びている。
ボタンは、ずっと下まで留められてゆき、
やがて、
前側と後ろ側の布を股の下で、ボタンで留める。
さあ、この状態を想像してみよう。
ワイシャツが下に伸びて、そのままパンツになっているのだ。
そして、時代と共に、これじゃ不便だってんで、進化し、
上のワイシャツと、下のパンツに切り分けられた。
その時に、パンツの腹の部分にヒモが付けられたのである。
そのヒモが、やがてゴムとなった。
私のパンツは、銀座の、とある店で買い求めている。
ワイシャツ屋だ。
この店では、
オーダーのワイシャツを造ったあとの端切れを使って、
パンツを拵えている。
ゆえに値段が高い。
4000円以上したりする。
ただし、とても具合が良い。
どう具合が良いか、うまく言い表せないのがまどろっこしいが、
皮膚接触感覚が柔らかい。
そして、なにより・・
「パンツのゴムがゆるい!」
だからといって、滑り落ちるほどではなく、
程良い、ホールド感を保っている。
ゴムによる腹の締め付け跡が残らない。
「イシマルさん、銀座で、パンツ買ってんですか?」
うん、まあ、誕生日のお祝いとか、還暦のお祝いとか、
なんだかんだ理由をつけてだネ・・
パンツくらいは、良いモノをだネ・・
ほら、脱いだ時、腹にパンツ跡が残らないようにだネ・・
「残ったらマズイんですか・・?」
あ・・いや・・・
でも、3枚で1000円ってのも一応持ってるしぃ・・