先日、岡山県写真のコーナーで、洞窟天国であると言った。
その洞窟で日本最大と言えば、やはり、
山口県のココを尋ねなければならない。
《秋芳洞》 しゅうほうどう
秋吉台のカルスト台地の地下に、広大に広がる空間である。
秋芳洞の大きさは、
容積の大きさだ。
最も広い空間では、ゴルフのアイアンでショットしたくなる。
もちろん、して良いはずもないのだが、
9番アイアンで思いっきり打ったとしても、
壁にも天井にも当たらないだろう。
最初に、この空間を見つけた日本人は、どれほど驚いただろうか?
腰を抜かしただろうか?
アゴが外れただろうか?
目が点になっただろうか?
みっつ共ひっくるめて、全部やって驚きたい。
発見当時は、明かりが洞内全体にいきわたる筈もなく、
その巨大な空間が認識できなかったかもしれない。
しかし、今や、ヒールをつっかけてお出かけしたお母さんが、
この空間の場所に姿を現すと、
「あ~らあ~広いわねえ~~!」
「うわあ~おおきぃ~~い!」
嬌声があがる。
皆が皆、異口同音に、大きさ広さを褒めちぎる。
「どのくらいの広さあるのかしら?」
「ホラホラ、あそこに小さく見えるの、人じゃない?」
「何畳くらいあるのかしら?」
どうしても、畳に置き換えないと把握できないお母さん達が、
ワ~ワ~キャーキャー歓声を響かせてゆく。
パシャッ
携帯で写真を撮っている。
そこまでは良かったのだが・・
「あら、ここ送れないわネ」
電波が悪いと嘆いている。
あまりにも広い空間に皆でいるため、
地下にいるのだという認識がなくなっている。
頭の上に、何億トンという岩石が詰まっている感覚はない。
洞窟は広いと安心し、狭いと不安になる。
地上で、コレを例えると・・
人は、青空が見えると安心し、
曇天になると、不安を感じる。
そして、お母さん達は、やがて出口から出てくると・・
「あ~ら、明るいわねえ、昼間だったのネ」
お決まりの言葉を掛け合い、蕎麦屋へと直行するのであった。