築地の魚河岸の近くに連泊している私。
いくらなんでも、毎朝毎朝、
寿司ばかり食っているのはいかがなものか?
私なりの反省を始めた。
栄養が偏るというより、
精神が偏るのではないか?
それでは・・ってんで、
今朝は、場外から場内に向かった。
魚河岸には、<場内>と<場外>がある。
場内(じょうない)とは、卸(おろし)の業者が、
小売に魚を売る場所だ。
一般の人も入れないワケではないが、
あまり少ない量の商いはしていない。
どちらかと言うと、
専門業者が、行きつけの卸の店に大量買いをする場所だ。
勿論、都内の飲み屋も店主が、買い付けをしにくる。
買い付けのついでに、朝飯を食おうという算段だ。
その為の料理屋が、数件、並んでいる。
当然寿司屋もあるのだが、
魚ばかり扱っている業者にとっては、それ以外のモノが食いたい。
カレー、ラーメン、トンカツ、フライ定食・・
「カツ丼ください、味噌汁付けて、ハンカツで」
一軒の店の丸いスツールに座り、知ったかぶりの注文をする。
ハンカツとは、ご飯が少なめのカツ丼である。
なぜ、そんな事を知っているのかと言うと、
入店した時に、隣の人が、そう言って注文したのだ。
素直にマネたに過ぎない。
しかし、ハンカツでも、それなりのボリュームがあった。
やはり肉体労働は、朝から腹が減るとみえる。
ハジのテーブルで、がっついているオジサンの鯵フライが旨そうだ。
その隣のアンチャンの、オムライスが魅力的である。
舐めるように丼を置き、店を出る。
すると、隣に、いい香りのカレー屋が手招きしている。
(困ったな・・からだが足らんな)
ハンカツでこの量