連日、築地魚河岸界隈を徘徊している私だ。
寿司という文字を、何百という単位で、目にしている日々だ。
魚河岸には、場内と場外があると、先日説いた。
そこで、更に外へと、足を伸ばしてみた。
駅でいうと、地下鉄の築地駅から、東銀座駅界隈である。
表通りには、寿司屋が、林立している。
見てはっきり寿司屋と解るカンバンが、ずらりと並んでいる。
寿司屋の秋葉原状態と言っていい。
そこで、裏通りを覗いてみた。
「ほお~こうなってますかぁ~」
裏通りには、寿司屋だと主張する大きなカンバンはない。
あるのは、
名前だけが書かれた控えめな看板だ。
看板というより、表札と呼んだほうがいいほど、
主張がない。
「知る人だけが、よってくれればよい」的な誘い方である。
入口からして、入りにくい。
っというより、入口そのものが見つかりにくくなっている。
「ここから入るのかな?」
お勝手口の様な引き戸が、入口らしい。
当然、入店には勇気がいる。
金銭的な勇気とともに、
しきたり的な勇気も問われる。
一人で入って、いいのかな?
こんな服装で入って構わないのかな?
入る時、なんと言うのかな?
「ごめんください」・・じゃ御用聞きみたいだし、
「ちょっと上がらせてもらうよ」・・じゃあ、悪代官みたいだし、
「たのもう」・・って、何時代じゃ!
この築地一帯に、いったい何軒の寿司屋があるのだろう?
全部の店を回った人はいるのだろうか?
日本一の寿司屋密集地の魚は、さすがに旨い!
さあ、勇気をもって・・・
「お願いしまぁ~す」
入った寿司屋は、廻っていた。