やっぱり、ハンモックだ!
昼寝には、ハンモックに限る。
《キャンプの木陰には、ハンモックが良く似合う》
と太宰治が語ったとか語らなかったとか・・
昨年の秋に購入したハンモックの出番が増えた。
木陰というからには、木がある。
木と木の間にハンモックを吊るす。
木が無ければ、ハイエースとハイエースで繋ぐ。
ハイエース後部のハッチ下に吊るせば、
木陰ならぬ、ハイエース陰ができる。
「よっこらしょ」
ハンモックに乗り込む。
この時、やはり気をつけなければならない。
伝統的なコントである、<反対側落っこち>をやってしまう。
実際、私も落っこちた。
幸い低く張っていたので、事なきをえたが、
顔ほどの高さに張った場合、事ありで、
救急車出動となるやもしれぬ。
最初だけ、慎重に乗る。
乗ってしまえば、あとは楽チンそのものだ。
我がハンモックはタイ産で、
ナントカという編み方をしているらしいのだが、
身体全体が、包まれる感覚が強い。
網目から涼しい風が吹き込み、すぐに眠くなる。
文庫本を読もうと、かざしているのだが、まぶたが重くなる。
ユラリ~誰かが、ハンモックを押している。
揺らしてやろうというのだ。
「いらんことすな!」
ハンモックとは、そもそも外洋船の船員が、
荒れた海を進む、
よく揺れる船で眠るために作られた。
船が揺れても、ハンモック自体は、揺れない。
揺れることによって揺れをなくさせる。
この原理は、地震計の原理と同じだ。
マラソン中継のカメラマンが乗っている座椅子と同じだ。
揺れを吸収している。
「いらんことすな!」
今しも私は、眠りに落ちようとしている。
そんな時、そっと押される。
押されれば、誰だって目が覚める。
しばらくしてウトウトすると、又、押される。
又、目が覚める。
押している本人は、気持ちよかろうと押しているのだが、
ハンモックは揺れる為にあるのではない。
揺れない為に作られたその原点を、思い出すべきだ。
よもや、大きく揺さぶられると、気持ち悪い。
吐きそうになる。
そりゃそうだろう。
揺することで、
船が大揺れしている状態を作っているのだから・・
(ん・・しばしぐっすり眠ったらしいゾ)
なんか、風の音がすさまじい。
うわっ、
風吹いてるじゃ~~ん。
みんな、ウインド乗ってるじゃ~~ん。
誰も起こしてくれなかったじゃ~~ん。
シンクロナイズド ハンモック