「なんだ、サバかあ~」
釣り番組を視聴していると、頻繁にこのセリフが発せられる。
「ちぇ、サバだよ」
「又、サバにバやられたヨ」
「けっ、サバじゃ~ん」
徹底的に、サバを目のかたきにしている。
確かに、サバはありとあらゆる釣り場面に登場する。
釣りとは、本命を釣る遊びと言われる。
本命とは、
「今日は、鯛釣りだ!」
と決めれば、鯛以外は外道(げどう)と呼ばれ、
さげすまれる。
よもや、そんな時、サバが釣れると、
コンチキショウとまで言われる。
理由は、サバが、釣りの邪魔をするからだ
ありとあらゆる場所に出没し、ありとあらゆる餌に喰らいつく。
餌が付いてない針だけにでも、喰らい付く。
餌がなくとも釣れる珍しい魚だ。
だからといって、サバをそんなに毛嫌いして貰う訳にはいかない。
本命でないというだけの理由で、
「ケッ!」とか、言って貰いたくない。
邪魔だ、というだけの理由で、
「チェッ!」とか、悪態をつかないで貰いたい。
サバ君はだネ、
元気なだけで、食い物に好き嫌いしないだけで、
ただ一生懸命生きているいい奴なんだヨ。
「ッタクよ」とか言わないで欲しい。
クソっ呼ばわりしないで欲しい。
願うらくは、ホホずりまではしなくとも、
そっと、たなごころに握りしめ、一言かけてやって欲しい。
「よく育ったネ」
サバ缶詰で、鯖ドック作ってみました