≪双葉山生誕100年記念≫
「イシマルさん、記念のお酒を造りましたので、
どうぞ、召し上がってください」
今年は、
あの大相撲69連勝の双葉山の生誕100周年だという。
双葉山の故郷、大分県の宇佐市で、この酒は造られた。
おし頂いた記念の一升瓶を小脇にかかえ、
飛行機で、東京に向かった。
自宅に帰り着き、
風呂上りに、テーブルにドンッと置いた。
ふむ、さすが双葉山。
風格がある酒と見える。
冷やしておいたグラスを冷凍庫から取り出し、
注ぎ込む。
トクトクトク
なめらかな液体がグラスを満たす。
まずはひとくち・・
ゴクリッ
ほ~~随分と辛い酒だなぁ~
今まで呑んだ中では最も辛い日本酒と言える。
さらに、ひとくち・・・
ふむ、旨いのは旨いのだが、なぁ~んか変だなぁ~
一升瓶を手に取り、しげしげとラベルを読み返した。
ん・・・?
真ん中の<双葉山>の右脇に何か書いてある。
≪大分本格麦焼酎≫
あ~~~ん?
焼酎?
不覚であった。
双葉山=関取=日本酒という図式が、ハナから頭にあり、
頂いた時に、日本酒に違いないと思い込んでいたのだ。
ゆえに、一口呑んでも、まだ、日本酒だと信じていた。
二口目でも、日本酒と信じて疑わなかった。
九州で、酒と言われれば、焼酎の事を指す習慣を失念していた。
なんと云うことだ!
これまで、酒について、
様々な御託を並べ、ウンチクをたれてきた私であるが、
所詮、この程度の舌しか持っていなかったのである。
私に、酒をプレゼントするのは、無駄である。
たぶん、ウイスキーとブランデーの区別もつかない。
紹興酒と養命酒の違いも、わかんないかもしんない。
うぅぅ、グレてやるぅ~