工夫の天才 油屋熊八(別府駅前)
「イシマルさん、趣味は何ですか?」
質問される。
ウインドサーフィン?
山登り?
クライミング?
洞窟探検?
マウンテンバイク?
ダイビング?
将棋?
釣り?
答えは、こうである。
「趣味は、
工夫です」
工夫、大好き人間である。
何事においても、工夫している時が楽しい。
「
コレを、
こうやったら
どうだろう?」
「
ここは、
こうなったら
どうなるか?」
「ちょっと待てよ?
こうやってみよう」
私の行動原理はここから始まっている。
結果が分かっている状況では、さほど面白くない。
むしろ、困った状況での、
くふうに頭がしなる。
しなる余り、お馬鹿な発想に辿り着く。
超のつくお馬鹿になる。
「そうだ!こうやってみよう!」
素晴らしい発想に、思わず、歓喜の声が出る。
「私は天才だ!」
その挙句、誰かにその内容を、喋り出す。
「ねえねえ、コレどう思う?」
ところが、みな、判で押したように・・
『人に話さない方がいいんじゃないですか?』
うぅぅ~
そこで、私は、友人のバタヤンにすがる。
「ねえねえ、どう思う?」
すると、バタヤンは忙しいにも拘わらず、
きちんと科学的に解明してくれ、
それなりの結果を発表してくれる。
社内会議にも議題として出してくれる。
自分が、アホと呼ばれるかもしれないと言うのに!
自分の体面を無くしてまで、
私の話に耳を傾けてくれる立派な人だ。
そして結果報告が、長い長いメールで届く。
専門的な言葉が、たくさん出てくるが、
内容は解りやすい。
子供に噛んで教えてくれているようだ。
先日の、《食器洗い機が、そのまま食器棚になる》
というアイデアの答えは、
「造ったら、8mくらいの大きさになる」と云う返事だった。
「家に入りますか?」
と添えられてあった。
バタヤンは、私が本気なのを分かっているのである。
うむ、家には入らないが、あってもいいな。